
空母カールビンソン USS Carl Vinson (CVN 70)
排水量 74,086トン
満載排水量 100,000トン
全長 333 m
最大幅 77 m
就役 1982年3月13日
空母カールビンソン USS Carl Vinson (CVN 70)
今回は、空母カール・ビンソンに、1965年頃の古い艦載機であるファントムやスカイホークを搭載してみました。
カール・ビンソンは1983年に就役したため、実際にはトムキャット、イントルーダー、ホークアイなどが最初に搭載された艦載機です。
しかし、プラモデルではこのように古い艦載機を搭載すると、こんな雰囲気になります。



2022年南シナ海F-35C墜落事故:USSカール・ヴィンソンでの着艦失敗とその教訓
2022年1月24日、米海軍の空母「カール・ヴィンソン」において、F-35CライトニングII戦闘機が着艦に失敗し、南シナ海で墜落する事故が発生しました。
以下に事故の詳細をまとめます。

事故の概要日時
2022年1月24日、16:30頃(現地時間)
場所
南シナ海、USSカール・ヴィンソン上
機体
ロッキード・マーティンF-35CライトニングII
状況
通常の飛行任務からの帰還中、F-35Cが空母への着艦を試みた際に「ランプストライク」(飛行甲板後端への衝突)を起こしました。
機体は甲板を滑り、炎上しながら海に落下し、パイロットは脱出に成功し、救助されましたが、7名の乗員(パイロットを含む)が負傷しました。
事故の原因調査報告書によると、事故の主な原因はパイロットのミスによるものでした。
パイロットは「シエラ・ホテル・ブレイク」と呼ばれる急旋回着艦手順を初めて試みました。この手順は、360度の急旋回で減速し、短時間で着艦準備を整えるもので、熟練を要します。
パイロットはこれまでこの手順を実際に行った経験がなく、準備時間が短縮されたことで状況認識を失いました。
自動着艦支援システムの不使用
F-35Cには着艦を補助する2つのシステム、Approach Power Compensation Mode(APC)とDelta Flight Path(DFP)がありますが、パイロットはこれらを作動させませんでした。
これにより、適切な推力調整や迎角の維持が自動で行われず、機体は低速かつ不適切な飛行状態でアプローチしました。
タスク飽和
パイロットは着艦チェックリストを完了できず、タスク過多(タスク飽和)に陥り、手動モードで操縦を続けたまま誤った飛行パラメータで着艦を試みました。
報告書では、機体が最適迎角12.3度に対し16度、速度140ノットに対し120ノットでアプローチし、急激な沈下率を引き起こしたとされています。
事故の影響人的被害
パイロットを含む7名が負傷。パイロットは脱出時に負傷し、救助ヘリ(MH-60Sシーホーク)で回収されました。
3名がフィリピンのマニラの医療施設に搬送され、4名は艦内で治療を受けました(3名は後に回復)。
物的損害
F-35C(約1億1530万ドル)は全損し、海底約12,400フィート(約3,780メートル)から回収されました。
甲板上のEA-18Gグロウラー1機が破片により損傷(修理費約250万ドル以上)。
空母の飛行甲板に約12万ドルの損傷(擦り傷や溝)。
調査結果と対応調査
米海軍の調査は2023年2月16日に完了し、報告書はUSNI Newsを通じて公開されました。
パイロットのエラーは「無謀または悪意のあるものではない」とされ、任務の複雑さと経験不足が原因とされました。
パイロットの状況
事故当時、パイロットは初の配備で、総飛行時間650.3時間(F-35Cで370.7時間)。
優秀な成績(トップ5新人パイロット、トップ10着艦評価)を誇る若手将校でしたが、この事故により飛行任務から外され、現在は非飛行職で海軍に残っています。
推奨事項
F-35Cパイロットに対し、APCおよびDFPの使用を義務化。
ヘルメット内ディスプレイや外部信号に自動モードの作動状況を示すインジケーターの追加。
シエラ・ホテル・ブレイクは禁止せず、訓練の強化を推奨。
回収作業
2022年3月2日、米海軍は潜水支援船「ピカソ(DSCV Picasso)」と遠隔操作潜水艇を使用し、海底からF-35Cを回収。
中国が機密技術を入手するのを防ぐため、迅速な回収が行われました。
戦略的背景
南シナ海での事故は、米中間の緊張が高まる中での出来事であり、F-35Cの技術保護が重視されました。
中国外務省は「米軍の軍事活動を控えるべき」とコメントしましたが、関心を否定しました。
結論
この事故は、F-35Cの初の空母配備における運用上の課題と、パイロットの訓練不足や高負荷の着艦手順が絡んだ複合的な要因によるものでした。
米海軍はシステムの義務化や訓練強化で再発防止を図り、シエラ・ホテル・ブレイクのような高難度手順の継続を認めつつ、安全性を高める措置を講じました。



空母飛行甲板の色分けシステム:目的と役割
アメリカ海軍のニミッツ級空母は全長約333m、搭載機約70機、航空要員だけで約2000人以上が働く「洋上の航空基地」です。
飛行甲板は狭く、ジェットエンジンの爆音や高温の排気、動く航空機による危険が常在。
200~500人のクルーが同時作業を行うため、役割を一目で識別する色分けが不可欠です。
色分けにより、艦橋や航空管制所から作業内容を即座に判断でき、効率性と安全性が向上します。

7色の役割分担
クルーは紫、青、緑、黄、赤、茶、白の7色で区分され、シャツ、ライフベスト、ヘルメットの組み合わせや識別番号で100以上の職域に細分化されます。
紫(バイオレット):燃料補給を担当。「パープル・グレープス」と呼ばれ、航空機の燃料管理を行う。
青(ブルー):牽引車やエレベーター操作、航空機の固定を担当し、移動や格納を支援。
緑(グリーン):カタパルトや着艦ワイヤーの操作、整備、貨物管理を担当。発艦・着艦の技術的役割を担う。
黄(イエロー):航空機の移動や離着艦の指示を担当。カタパルトオフィサーは映画『トップガン』で有名。
赤(レッド):武器の管理と事故時の救助を担当。危険物の取り扱いや緊急対応を行う。
茶(ブラウン):機体整備を管理する「プレーンキャプテン」。機体の準備状況を確認。
白(ホワイト):安全管理や医療を担当。VIPも白色ベストを着用。
レインボーギャングの由来
この色分けシステムは第二次世界大戦後に始まり、戦後の効率化で発展。色とりどりのクルーが航空機を扱う様子が虹に似ていることから「レインボーギャング」と呼ばれるようになりました。イギリスやフランス、中国海軍もこのシステムを一部採用しています。
安全と効率の工夫
クルーは腕まくり禁止、ゴーグル着用で火傷や飛散物から身を守ります。反射テープや識別番号付きのベスト・ヘルメットで、夜間や悪天候でも役割が明確。視認性の高さが事故防止に寄与します。
文化的影響
映画『トップガン』で黄色いベストのカタパルトオフィサーが注目され、1990年代のクルーシャツはヴィンテージアイテムとして人気です。
まとめ
アメリカ海軍の色分けシステムは、危険な飛行甲板での役割分担を明確化し、安全性と効率性を高める仕組みです。7色の「レインボーギャング」は空母運用の要であり、他国にも影響を与える軍事技術とチームワークの結晶です。


