1/800 空母キティーホークに1980年頃の艦載機を41機搭載してみました

空母キティーホーク  USS Kitty Hawk (CV-63)
排水量 61,351 トン
満載排水量 83,301 トン
全長 325 m
全幅 86 m
就役 1961年4月21日
退役 2009年1月31日

空母キティーホーク  USS Kitty Hawk (CV-63)

今回は空母キティーホークのプラモデルに、1980年頃の艦載機を搭載してみました。
この時期のアメリカ海軍空母の航空団は、さまざまな任務に対応する機種で構成されています。

戦闘機としてはF-14トムキャットが主力で、可変後退翼と高い戦闘能力が特徴です。

攻撃機としては、A-6イントルーダーとA-7コルセアIIが中心で、対地攻撃や近接航空支援を担いました。

また、早期警戒機のE-2ホークアイ、対潜哨戒機のS-3バイキング、多用途ヘリコプターのSH-3シーキングも搭載され、航空団全体で多様な役割を果たしていました。

なお、左舷後方のエレベーターにF/A-18ホーネットを2機を配置していますが、1980年頃のキティーホークにはホーネットは搭載されていませんでした。
ホーネットの配備は1980年代中盤以降のため、この時期の航空団には含まれていません。
この配置は製作時のアレンジとして加えたものなので、ご留意ください。

艦載機を急停止させるアレスティング・ワイヤーについて

基本構造と役割
アレスティング・ワイヤーは、航空機のテールフック(尾部に装備されたフック)が引っかかることで、急速に減速・停止させることができます。
通常、空母の甲板には3~4本のワイヤーが配置され、航空機はこれらのワイヤーにフックを引っ掛けて着艦します。
ワイヤーは油圧または機械式のダンパーシステム(アレスティング・ギア)に接続されており、航空機の運動エネルギーを吸収します。

太さ
アレスティング・ワイヤーの太さは、通常約 3.5~4.5センチメートル(直径)です。この太さは、航空機の重量や速度による大きな衝撃に耐えられるよう設計されています。
ワイヤーは高強度のスチールや特殊合金で作られており、柔軟性と耐久性を兼ね備えています。

重さ
ワイヤー自体の重さは一本あたり約 400~600キログラム 程度で、長さや素材によって異なります。ワイヤーは飛行甲板を横切る形で張られており、両端がアレスティング・ギアに接続されているため、システム全体の重量はさらに大きくなります。

耐荷重
アレスティング・ワイヤーの耐荷重は非常に高く、一般的には 50~70トンの引張強度を持つように設計されています。
これは、例えばF/A-18ホーネットやF-35Cのような戦闘機が時速200km以上で着艦する際の衝撃に耐えるためです。
ワイヤーは航空機の重量や速度に応じて適切な張力で調整され、100回以上の着艦に耐えられるよう定期的に点検・交換されます。

その他の特徴と仕組み素材
ワイヤーは高強度スチールケーブルで作られ、腐食防止のために亜鉛メッキや特殊コーティングが施されています。海上での塩水による腐食に耐える必要があります。

配置と間隔
ワイヤーは甲板上に等間隔(約15~20メートル)で配置され、航空機がどのワイヤーに引っかかっても安全に停止できるように設計されています。通常、2番目または3番目のワイヤーに引っかかるのが理想とされます。
アレスティング・ギア: ワイヤーは甲板下の油圧システムに接続されており、航空機のエネルギーを吸収してワイヤーの張力を制御します。
最新の空母(例:米国のジェラルド・R・フォード級)では、電磁式のアレスティング・システム(AAG: Advanced Arresting Gear)が導入され、より精密な制御が可能です。

メンテナンス
ワイヤーは毎回の着艦で大きな負荷がかかるため、定期的に摩耗や損傷がチェックされます。一定の使用回数(通常100~150回程度)で交換されることが一般的です。

着艦の難易度
アレスティング・ワイヤーによる着艦は「制御された衝突」とも呼ばれ、非常に高い技術を要します。パイロットは正確な角度と速度で甲板にアプローチし、ワイヤーにフックを引っ掛ける必要があります。

興味深い事実歴史
アレスティング・ワイヤーの概念は1920年代に始まり、第二次世界大戦中に広く採用されました。現代のワイヤーシステムは、戦闘機の大型化やジェット化に伴い進化を続けています。

最新の技術
米海軍のジェラルド・R・フォード級空母では、従来の油圧式アレスティング・ギアに代わり、電磁式のAAGが導入されています。
このシステムは、より幅広い航空機重量や速度に対応でき、メンテナンス性も向上しています。ただし、初期の導入時には技術的な課題も報告されました。

空母キティホーク、1セントで売却された最後の航海

USSキティホーク(CV-63)は、1961年に就役した米海軍のキティホーク級航空母艦で、約48年間にわたり世界の海で重要な役割を果たしました。

ベトナム戦争やイラク戦争に参加し、特に日本の横須賀を母港としてアジア太平洋地域で存在感を示しました。
9.11後のアフガニスタン作戦支援など、歴史的な作戦にも関与したこの空母は、通常動力型として最後まで活躍した艦の一つです。

2009年に退役した後、キティホークはワシントン州ブレマートンのキトサップ海軍基地で保管されていました。
しかし、老朽化した艦の維持には莫大な費用がかかり、博物館としての再利用も検討されたものの、資金や技術的なハードルから断念。
結局、2021年にテキサス州ブラウンズビルの解体業者、International Shipbreaking Limitedに、象徴的な価格である1セントで売却されました。
この価格は、解体費用を考慮した実質的な「引き取り料」でした。

最後の航海

2022年1月15日、キティホークは最後の航海に出ました。
ブレマートンから解体場所のブラウンズビルまで、約25,000kmの長旅です。
船幅がパナマ運河の制限を超えるため、南米のマゼラン海峡を回るルートを選び、タグボートに曳航されて進みました。
この航海は130日以上かかると予想され、霧の中を静かに出航する姿を、元乗員の一人であるジェイソン・チュディ曹長らが見送りました。
彼らにとって、キティホークはただの船ではなく、青春や誇りの詰まった存在でした。

キティホーク退役軍人協会は、カリフォルニア州ロングビーチでの博物館化を提案しましたが、実現には至らず、解体が決まったことで、米海軍の通常動力空母の時代が終わる一つの節目となりました。