1/800 自作空母タイコンデロガとアングルドデッキの解説

1/800スケールで自作した航空母艦タイコンデロガに、艦載機を38機搭載しました。
今回搭載したのは1980年代前半の艦載機(ファントム、ホークアイ、シーホークなど)ですが、実際のタイコンデロガ(CV-14)は1972年頃に退役しているため、これらの機体は実運用では搭載されていません。

【エセックス級空母】なぜ甲板の形が「斜め」になったのか?劇的ビフォーアフターの理由を解説!

第二次世界大戦のアメリカ海軍の主役、エセックス級航空母艦。 プラモデルや画像などでこの艦を見ると、時期によって**「甲板の形が全然違う!」**と驚いたことはありませんか?

初期の長方形のようなスッキリした形から、後期には左側に大きく張り出した複雑な形へと変貌を遂げています。
実はこの変化、単なるデザイン変更ではなく、「ジェット機の時代」を生き抜くための決死の生存戦略だったのです。

今回は、エセックス級の甲板が「直線」から「斜め」に進化した理由を、当時の切実な事情を交えて解説します。

ビフォー:直線甲板(ストレートデッキ)の時代

直線甲板(ストレートデッキ)

この頃の艦載機は、プロペラ機でした。速度も比較的遅く、機体も軽かったため、運用の仕組みはシンプルでした。

  1. 後ろから飛んできて着艦する。
  2. ワイヤーに引っ掛けて止まる。
  3. 失敗したら、甲板中央の「ネット(バリケード)」に突っ込んで無理やり止まる。

そう、当時は**「着艦エリアの目の前に、これから発艦する味方機が駐機している」**というレイアウトだったのです。
もし着艦に失敗してバリケードを突き破れば、前方の味方を巻き込んで大惨事になります。
それでも、プロペラ機の時代はなんとかなっていました。

訪れた危機:ジェット化の衝撃

戦後、時代は急速にジェット機へと移行します。これがエセックス級にとって最大の危機となりました。

ジェット機はプロペラ機に比べて

  • 着艦スピードが速い
  • 機体が重い

こうなると、もう「ネットで受け止める」なんて芸当は通用しません。
高速のジェット機が着艦に失敗してバリケードに突っ込めば、機体は大破、あるいは突き破って艦首の駐機スペースへ特攻……。「着艦失敗=死」という許容できないリスクが生まれたのです。

「このままでは、新しい飛行機を運用できない!」 そこで導入されたのが、イギリス発案の革新的アイデアでした。

斜め甲板(アングルドデッキ)の登場

近代化改装後のエセックス級(アングルドデッキ)の画像]

その解決策こそが、甲板を左側に斜めにずらす**「アングルドデッキ」**です。

大規模な改装(SCB-125計画など)により、エセックス級は全く別の艦のように生まれ変わりました。
なぜわざわざ「斜め」にしたのか? その理由は大きく2つあります。

「やり直し(ボルター)」ができるようになった

これが最大の理由です。 着艦コースを斜めにずらしたことで、その延長線上は「海」になります。

もしパイロットがワイヤーを掴み損ねても、そのままエンジン全開で加速し、空へ飛び去って「もう一回!」とやり直せるようになったのです。
目の前に障害物がないため、安心して高速でアプローチできるようになり、着艦事故のリスクが劇的に減りました。

「発艦」と「着艦」が同時にできる

直線甲板の頃は、着艦作業中は甲板すべてを空ける必要があり、発艦はできませんでした。
しかし、アングルドデッキなら、

斜めの甲板で「着艦」
艦首のカタパルトで「発艦」
この2つを同時に行えます。これにより、作戦効率が飛躍的に向上しました。

4. もうひとつの変化:ハリケーン・バウ

甲板の斜め化と同時に行われたのが、艦首の形状変更です。 元々は甲板と船体に隙間がありましたが、波浪対策のために船体と甲板を一体化させた**「ハリケーン・バウ(エンクローズド・バウ)」**になりました。

これにより、当初の「板きれを乗せたような姿」から、現代空母に近い「マッシブで強そうな姿」へとシルエットが完成したのです。

まとめ:時代に食らいつくための大手術

エセックス級の姿が変わった理由、それは**「プロペラ機時代の空母を、無理やりジェット機に対応させるため」**でした。

もしこの「アングルドデッキ」への大手術がなければ、エセックス級は1950年代には時代遅れとして退役していたでしょう。
しかし、この改装のおかげで、ベトナム戦争の激戦を戦い抜き、アポロ宇宙船の回収母艦として1970年代まで活躍することができたのです。

模型や写真でエセックス級を見かけたら、ぜひその「甲板の形」に注目してみてください。「ああ、この斜めの形がパイロットの命を救ったんだな」と感じられるはずです。

●空母タイコンデロガの画像が多数あるサイトseaforces-online