
空母タイコンデロガ USS Ticonderoga (CV-14)
排水量 27,100 t
全長 270 m
全幅 45 m
就役 1944年5月8日
退役 1973年9月1日
空母タイコンデロガ USS Ticonderoga (CV-14)
自作空母タイコンデロガに、1960年代後半の艦載機を搭載しました。
今回はF-4ファントムIIを搭載しましたが、実際のタイコンデロガはこの時期、主にF-8クルセイダーなどの戦闘機やA-4スカイホーク、A-7コルセアIIといった攻撃機を搭載していました。
そして、ファントムは搭載されることもなく1969年頃に対潜空母(CVS-14)に再分類された後は、戦闘機や攻撃機の搭載は行わず、S-2トラッカー、E-1トレーサー、SH-3シーキングなどの対潜哨戒機およびヘリコプターを主に運用していました。



SCB-27エセックス級航空母艦の近代化改装プログラム
SCB-27(Ship Characteristics Board-27)は、第二次世界大戦後にアメリカ海軍が実施したエセックス級航空母艦の近代化改装プログラムの名称です。
1940年代後半から1950年代初頭にかけて行われ、エセックス級をジェット機時代や冷戦の新たな戦略ニーズに適応させることを目的としました。
以下に、SCB-27の概要を簡潔に解説します。
1. 目的
SCB-27は、エセックス級空母を戦後のジェット機運用に対応させ、攻撃空母(CVA)や対潜空母(CVS)として活用するために計画されました。
- ジェット機の運用:F9Fパンサーなど重く高速なジェット機の離着艦を可能にする。
- 飛行甲板の強化:ジェット機の高い着艦衝撃に耐える構造。
- カタパルトの改良:ジェット機の離陸を支援。
- 電子戦能力の向上:冷戦期のソ連脅威に対応。

2. 改装の種類SCB-27は2つのサブプログラムに分かれます
- SCB-27A(1948年~1950年代初頭):6隻(「エセックス」「タイコンデロガ」など)が対象。H-8油圧カタパルトを搭載し、飛行甲板を鋼板で強化。
航空燃料タンクの拡張や3インチ対空砲の追加も。 - SCB-27C(1951年~1955年):3隻(「ハンコック」「イントレピッド」「タイコンデロガ」)が対象。
蒸気カタパルトを導入し、より重いジェット機に対応。
飛行甲板のレイアウト最適化やSPS-8レーダーの搭載で航空管制を強化。
3. 主な改良点
- 飛行甲板:ジェット機の着艦衝撃(約10万ポンド)に耐えるよう強化、部分的に鋼板化。
- カタパルト:SCB-27AではH-8油圧カタパルト、SCB-27Cでは蒸気カタパルトを搭載。最大30,000ポンドの航空機を加速可能。
- 兵装・電子装備:対空砲の更新(3インチ/50口径)、新型レーダー(SPS-6やSPS-8)で航空管制を向上。
- その他:航空燃料タンク拡張、エレベーター大型化、乗員居住区の改良。
4. 成果と限界
SCB-27改装により、エセックス級は朝鮮戦争やベトナム戦争、アポロ7号回収任務などで活躍。
特にSCB-27Cの蒸気カタパルトは現代空母の基礎となりました。
しかし、アングルド・デッキの不在(後のSCB-125で導入)や艦体の老朽化、フォレスタル級などのスーパーキャリアの登場により、1970年代には第二線任務に移行しました。
5. 対象艦SCB-27改装を受けた主な艦
- SCB-27A:エセックス、ヨークタウン、ホーネット、ボクサー、レイテ、アンティータム。
- SCB-27C:ハンコック、イントレピッド、タイコンデロガ。
まとめ
SCB-27は、エセックス級を第二次世界大戦のプロペラ機空母からジェット機時代に対応する多用途空母に変えた重要な改装です。
蒸気カタパルトの導入などは現代空母技術の先駆けとなり、冷戦初期のアメリカ海軍の主力として活躍しました。
博物館船「イントレピッド」など、改装の遺産は今も見ることができます。



空母タイコンデロガが対潜哨戒任務になった理由
タイコンデロガは、元々第二次世界大戦中にエセックス級航空母艦として艦載機による攻撃や艦隊支援を主な任務としていました。
しかし、1969年に「対潜哨戒任務」に転換された理由は、以下の歴史的・戦略的背景に基づいています。
冷戦期の戦略的ニーズの変化
第二次世界大戦後、冷戦の開始に伴い、ソビエト連邦の潜水艦戦力(特に核搭載可能な潜水艦)の脅威が増大しました。
米海軍は、潜水艦の探知・追跡・撃破を目的とした対潜水艦戦の強化を迫られました。
航空母艦は、対潜哨戒機やヘリコプターを運用するプラットフォームとして適しており、タイコンデロガのようなエセックス級空母はASW任務(敵の潜水艦を探知・追跡・撃破)に適応する形で再利用されました。
艦の老朽化と役割の再定義
タイコンデロガは1944年に就役した艦であり、1960年代には新型空母(スーパーキャリア)に比べ性能が時代遅れになりつつありました。
しかし、完全な退役や廃棄の代わりに、比較的低コストで改修し、対潜哨戒任務に特化させることで、引き続き運用価値を見出すことができました。
1969年10月21日に公式にCVS-14(対潜空母)に再分類され、S-2Eトラッカー対潜哨戒機やSH-3シーキングヘリコプターなどを運用するようになりました。

ベトナム戦争後の任務の多様化
ベトナム戦争(タイコンデロガは1960年代に戦闘任務に従事)後、米海軍は空母の役割を多様化させる必要がありました。
特に、1969年に北朝鮮による米海軍偵察機撃墜事件が発生した際、タイコンデロガは日本近海に派遣され、対潜戦を含む地域の監視任務を強化する役割を果たしました。
このような事件は、対潜任務の重要性をさらに浮き彫りにしました。
アポロ計画への支援と任務の拡張
タイコンデロガは対潜空母に改装された後、1972年にアポロ16号および17号の回収任務にも参加しました。
対潜任務に加え、広範囲の洋上での哨戒・監視能力が、このような非戦闘任務にも活用された例です。
この多用途性が、対潜空母への転換の価値を高めました。
まとめ
タイコンデロガが対潜哨戒任務に転換された理由は、冷戦期のソ連潜水艦の脅威への対応、老朽化した艦の有効活用、ベトナム戦争後の海軍戦略の変化、そして多用途任務への適応性の確保にあります。
1969年のCVS-14への再分類以降、タイコンデロガは対潜戦を主軸に置きつつ、アポロ計画支援など多様な任務を遂行し、1973年の退役まで活躍しました。
